
個人の生活に紐づく健康・医療・介護等に関するデータであるPHR(パーソナルヘルスレコード)を考える座談会、 第4回のテーマは「マイナポータル×PHR が拓く、健康情報の新しい循環」です。
今回はデジタル庁 三浦 明 審議官を迎え、政府が推進する医療DXの取り組みや、マイナポータルとPHR連携の可能性、民間企業やPHR普及推進協議会への期待について、意見を交わしました。
【対談者】
- 三浦 明 デジタル庁 国民向けサービスグループ次長/審議官
- 石見 拓 一般社団法人PHR普及推進協議会 代表理事/京都大学大学院 医学研究科 社会健康医学系専攻 予防医療学分野 教授
【聞き手】
- 大山訓弘 一般社団法人PHR普及推進協議会 理事/日本マイクロソフト株式会社 業務執行役員 パブリックセクター事業本部 安全保障・自治体戦略統括本部長
医療DXの全体像とデジタル庁の役割

デジタル庁 国民向けサービスグループ次長/審議官
三浦:医療DXの政策は厚生労働省が中心となって立案し、私たちデジタル庁はその実現をデジタルの力で支援・推進しています。
目指しているのは、医療DXによる医療の効率化や質の向上です。
たとえばエストニアでは、救急搬送時に医師が電子健康記録(EHR)を通じて、基礎疾患や服薬情報を即時に確認できます。日本でもこうした仕組みを目指していますが、課題となるのが「個人をどう特定するか」です。
日本の医療提供体制は、人口当たりの医療機関数が多い一方で規模が小さく、また、民営の割合が多いといった特徴があります。医療保険制度も被用者保険と地域保険の二本建てとなっており、保険者をまたぐ異動が避けられない構造です。このような中で、医療情報を個人に正確に紐づけることは、難しい課題でした。
その転機となったのが、「被保険者番号の個人単位化」です。被用者保険では、扶養家族が同じ番号を共有していたため、家族のうちの誰がどの診療を受けたか記録されていませんでしたが、個人に固有の番号を割り当てる制度へ移行したことで、データの正確な管理が可能になりました。さらに技術の進展や情報基盤の整備が進み、日本でもようやくPHRや医療DXを本格的に展開できる土台が整ってきたところです。
医療データの現状と課題、デジタル化の進捗
三浦:医療データは大きく2つに分けられます。ひとつは診療に関わるカルテ情報、もうひとつは診療報酬の請求に使われるレセプトデータです。この2つが分かれて存在しているのは日本の特徴で、それぞれに利点と課題があります。
たとえば、レセプトはオンライン請求が徹底され、現在ではほぼ完全に電子化されています。また「出来高払い制度」によって、医療行為ごとの詳細な記録がデータ化されているのも強みです。一方で、検査値のような診断や治療に直接関わる詳細な医療情報は含まれておらず、病名の表記にも制度上の特性があるため、分析や活用には限界があります。日本の医療機関は民間主体で、カルテも各医療機関の業務システムとして使われているため、標準化やデータの統一が進みにくい状況です。それでも近年になって、データの標準化や共有に向けた議論がようやく進みはじめています。
さらに、介護保険制度の導入により、医療と福祉の連携も求められるようになりました。高齢化の進展とともに、医療と介護を一体で把握し、連携していく必要性が高まっています。そのためには共通の情報基盤が欠かせないという認識も広がっています。
期待は大きい一方で、現実には課題も多くあります。医療は非常に専門性が高く個別性の強い現場であり、データの標準化は大きな課題です。また、医師にとって使いやすいUI/UXを設計するには、現場の業務や思考を深く理解することが不可欠です。
そうした医療の個別性のなかで「標準化」や「デジタル化」をどう実現していくかは、非常に難易度の高いテーマだと感じています。
PHRの実現に向けた課題と展望。制度と現場の調和を目指して

一般社団法人PHR普及推進協議会 代表理事/京都大学大学院 医学研究科 社会健康医学系専攻 予防医療学分野 教授
三浦:日本では、PHRとEHRを分けて考える見方が根強くあります。
患者さんの情報という観点からは、統合して考えても良いと思いますが、PHRに含まれるデータでは「どこで、どう測定されたか」という信頼性の問題があります。たとえば血圧計をひとつとっても同じ機器を使っていても測定の方法で数値が変わります。家庭で記録されたPHRのデータと、病院という一定の管理下で記録されたデータを同列に扱ってよいのか、という議論は避けて通れません。
石見:PHR推進協議会も、「本人を起点にした仕組みにしたい」という考え方を基本に据えています。
たしかに、医師の診断などは必ずしも“本人から直接生まれた”データではないかもしれませんが、家庭での記録や家族による記録など、PHRに含まれる情報の多くは、本人や身近な人から生まれたものだと考えています。
だからこそ、そうした情報を、本人や家族が自らの意思で管理し、自分たちの健康や暮らしのために活用できるようにする。
それがPHRの基本思想であり、私たちはその考え方を軸に、仕組みの設計や制度のあり方を検討しています。
医療リテラシーと行動変容──PHRの本質と今後の課題
石見:こうした流れが実現しつつある背景には、医療の進歩に加え、社会からのニーズの高まりがあります。たとえ
ばセルフケアが重要になる超高齢社会や、シェアード・ディシジョンメイキング(共同意思決定)、個別化医療などの概念の浸透によって、医療の主体が徐々に本人側へと移ってきているのが、今の大きな特徴です。
さらに、デジタル技術の進化と制度整備も加わり、いよいよ本格的な転換点を迎えていると感じます。その象徴がマイナポータルです。本人確認の仕組みが整い、今ではデータを自ら管理・共有できるようになってきました。これにより、長年「本人のためにデータを活用したい」と願っていた人々――たとえば3回座談会で紹介した丹波篠山のような地域の取り組み――も、ようやく環境が整ってきたと実感できる時代に入ったのではないでしょうか。
三浦:そうですね。健康や美容などに関するリテラシーも全体的に向上していると思いますし、疾患構造の変化も大きな要素です。かつては外傷性の傷病が多かったのが、今では生活習慣病が中心になっています。これは、自分の健康を日々の行動でコントロールすることで予防できる病気が増えてきた、という社会の変化を反映しています。
石見:そうですね。加えて、医療の目標も変わってきました。かつては「病気を治す」が主な目的でしたが、今では「生活の質(QOL)をいかに保つか」「より良い人生をどう生きるか」といった視点にシフトしています。そうした時代では、客観的な数値だけでなく、本人の主観や意思がより重視されるようになってきています。
三浦:ただ、リテラシーの高まりが実際の行動変容につながっているのかは、これからの課題ですよね。
石見:おっしゃる通りで、リテラシーがあっても最初の一歩を踏み出すのは簡単ではありません。現状は、本人だけでなく、サービスを提供する医療者側のリテラシーも含めて、まだ課題は多いと感じています。「これは本人のデータである」という基本的な認識が、社会全体にはまだ十分に浸透していない印象です。こうした意識がなければ、「このデータをどう返すか」「どう活かすか」といった視点は生まれにくいと思います。
石見:医療者にとって、こうしたデータはあくまで「治療のための情報」として扱われてきました。そのため、「このデータを患者に返すことでどんな価値があるか」という視点が欠けていたのだと思います。医療者自身の価値観を見直さなければ、PHRの推進そのものを妨げてしまう可能性すらあります。実際、以前はカルテ開示に抵抗感を持つ医師も多くいました。ただ、「データは本人のものである」という意識が社会に根付いていけば、「開示しない」という発想そのものが徐々に薄れていくのではないかと思います。
データの“質”をどうコントロールするか
三浦:データと診断の関係について伺いたいのですが、取得したデータが実際にはあまり活用されていないケースもあるのでしょうか。さまざまな環境下で継続して測定することは重要だと思いますが、データには測定環境に応じた“ばらつき”があることを考慮すべきだと感じています。
石見:おっしゃる通りで、データには揺らぎという性質があります。そのため、データの“質”をどうコントロールするかが非常に重要です。たとえば血圧であれば、動いた直後に測る数値と、医療機関で安静時に測る数値とでは意味が異なります。それでも私は「どんな状況であれ、データは事実」と考えています。コントロールされていない環境で得られたデータをどう読み解くか、という視点は今後ますます重要になるでしょう。
むしろ、自由に過ごした後のデータにこそ価値がある場合もあります。たとえば、運動や入浴前後に血圧が大きく変化する人は、何らかのリスクを抱えている可能性があります。そうした変化から、血管やホメオスタシス((体の状態を一定に保とうとする仕組み))の異常が見えてくることもあります。これまで取ってこなかった種類のデータが、新しい発想につながるかもしれません。血圧や血糖値など、データの種類によって着目点は異なります。データの由来も含め、一つひとつのデータを丁寧に記録しながら集めることが重要です。PHR普及推進協議会でも、項目だけでなく「どこから来たデータか」も含めた標準化が議論されています。
三浦:測定の状況をきちんと記録することが、データの意味を正しく読み解くうえで欠かせないのですね。
マイナポータルとPHRの連携による利用価値
石見:その観点でも、マイナポータルは非常に重要な仕組みだと感じています。
三浦:そうですね。マイナポータルは、マイナンバーカードを基盤とした政府の情報連携の窓口です。ヘルスケアはその一部ですが、PHRとの連携が進んだことで、データ活用の基盤が整いつつあります。マイナポータルAPIの利用者は、2年間で110者から約200者へ、医療・健康分野では10者から40者へと約4倍に増えています。
石見:一つの窓口で自分の情報にアクセスできるのは、国民にとってとても便利ですよね。私も確定申告でその便利さを実感しました。ふるさと納税の情報が自動で反映されていて、デジタル化の利点を感じました。身近な接点を入り口に、PHRへの関心が広がることが期待されます。
三浦:今後は、介護情報なども追加され、政府が保有するデータがより多く開かれていくことで、国民にとっての価値も高まっていくはずです。
石見:ただ、医療情報の活用にはリテラシーが必要です。生活習慣病のような慢性疾患の管理には、情報を正しく使う力が求められます。そのためには、教育や啓発活動が不可欠です。特に救急災害時に、自分の重要な情報をマイナポータルに保管し、すぐに共有できる仕組みが必要だと思います。
三浦:防災分野でマイナンバーカードを使った実証実験が進められていて、避難所でのチェックイン手続きの手間を約9割削減できたという実証結果もあります。薬や基礎疾患の情報も、災害時の支援に大きく貢献できそうです。
石見:PHRを通じて民間や自治体と連携し、ベースとなる国のサービスに付加価値を加えることが大切だと感じています。特に災害時の迅速な情報共有や感染症対策など、事前に備えておくことが、いざという時に真価を発揮します。
医療情報の開示と個人情報のリスク管理
三浦:避難所での疾患名や服薬情報などの情報提供を、どこまでの範囲で共有できるようにするかは、慎重な判断が求められます。マイナポータルAPIを通じて提供される場合も、配慮が必要となるでしょう。
石見:先日、デジタル先進国であるフィンランドを訪れた際、医療情報の取り扱い方を見ました。国民は閲覧可能ですが、データ自体は本人に移りません。日本は一歩進んだ取り組みをしていると感じましたが、やはりリスク管理を丁寧に行う必要がありますよね。
三浦:そうですよね。ルールの設計についても、これまでは政府主導で民間がその枠内で工夫するという構造でしたが、今後は共に考える姿勢が求められます。
石見:万一トラブルが起きれば、信頼や安心が一気に失われる可能性もあります。透明性が損なわれると、一気に後退しかねませんね。
三浦:だからこそ、見える形での連携と、意見を柔軟に反映できる仕組みが大事です。原則で安全を確保し、例外を柔軟に扱う運用が必要だと思います。慎重に、着実に進めるべきです。技術の進化に対応するのは、医療業界にも大きな課題です。患者もネットなどで情報を積極的に調べられるようになり、医療者側もそれに備える必要があります。国民のリテラシー向上は、医療現場に影響を与えています。生活習慣病の対応ひとつ取っても、情報の扱い方次第で大きく変わってきます。
石見:医療が患者主体に移行している流れですね。昔は医師主導が当たり前でしたが、今は対等に近づき、治療やデータ活用も共同で進める時代になっています。
三浦:インフォームドコンセントが導入されて時間が経ち今では、患者がご自身の治療方針を決定することが定着してきているように思います。
石見:情報が溢れてくることで、それに対する葛藤も生まれるでしょう。医療者の関わり方もさらに変化していく必要があります。
三浦:結局、患者のリテラシーもさまざまで、非常に高い知識を持つ患者もいれば、逆にあまり関心を持たない患者もいますよね。
石見:まさにその通りです。それに応じて、医療の提供方法も個別化が求められています。個々のニーズに合わせた柔軟な医療サービスが今後ますます重要になると感じています。
データの「意味」を伝える重要性と民間企業の役割
石見:PHRサービス事業者に対する期待や、民間の電子カルテ共有サービスとの連携に関する今後の展望についてお聞かせいただけますか?
三浦:データとして「こういう情報があります」と示すこと自体は可能でも、それが一人ひとりにとってどんな意味を持つのかということを伝えることが大事だと思います。現状、そういった価値の翻訳がされていないまま、いわば“生の状態”でマイナポータルなどを通じて情報が提供されています。ですから、その情報が個人にとってどんな意味があるのかを、丁寧に伝えるようなUXを民間にはぜひ期待したいです。
また、これからの時代においては、より適切で健全な規制のあり方についても、あらためて検討していく必要があると考えています。医療や健康に関する情報は個人にとって極めて重要なデータですので、たとえ本人の同意がある場合であっても、その取り扱いには慎重かつ謙虚な姿勢が求められるはずです。これまでは、「既存のルールの範囲内であれば問題ない」「明確な規定がなければグレーゾーンとして扱う」「抵触する規定がなければ行っても構わない」といった風潮も見受けられましたが、今後は社会全体からの厳しい目にさらされる場面が増え、企業のみの問題にとどまらなくなる可能性があります。だからこそ、業界全体としてこうした課題にどう向き合っていくかを、協議会などの場を通じて真摯に議論していくことが不可欠だと考えています。
規制と自由のバランス―業界の未来を形作る“自主的な対応”の必要性
石見:まずはPHR推進協議会やPHRサービス提供者との連携を深めながら、医療者、民間事業者、自治体など業界全体が一丸となって、前向きにPHRサービスの信頼を高めていく必要があります。国がすべてを決める時代ではなくなってきており、だからこそ今は良い流れにあると感じています。国が基本指針を示し、PHR普及推進協議会などがガイドラインを作成して、業界全体の底上げを図ろうとしているのは、とても重要なことだと思います。
三浦:おっしゃる通りです。過度な規制が導入されると、自由な取り組みが難しくなる懸念もあります。データの流通には常にリスクが伴うため、慎重な意思決定が求められます。異なるステークホルダーが持つ価値観を考慮した制度設計が重要だと感じています。
行政は、社会からの要請に応じて、時には厳しい対応を取らざるを得なくなることがあります。その結果、せっかくの市場が縮小してしまう可能性も否定できません。医療ITの分野でも、過去にそのような経験をされたのではないでしょうか。
このような事態を繰り返さないためには、業界の各プレーヤーの想像力と責任感が重要です。自主的にルールを整備し、責任ある行動を積み重ねることが、過度な規制を避けながら、健全な成長を促進するための鍵となります。その部分に関しては、日頃からマーケットと向き合っているPHR推進協議会やPHRサービス提供企業の皆様だからこそできることだと感じています。
石見:多くの課題があると同時に、大きなチャンスも感じています。民間だけで解決できるものではありませんので、PHR推進協議会のような様々な立場の者が集う「場」の重要性が高まっていると思います。医療者、アカデミア、行政、民間事業者といった異なる立場の人たちが議論して合意を作ることで、今のような複雑な課題も乗り越えていけると信じています。民間の方々にも、ぜひ積極的に参加していただきたいですね。
三浦:可能性は本当に大きいと思います。行政ができないことを、民間は多く実現できますし、市場化の可能性も広がっています。そうした中で、どう振る舞っていくか。協議会は業界全体を考える貴重な場なので、共通の視点を持った仲間が増えていくことを願っています。
石見:そうですね。今後、ガイドラインも発表されますが、データの標準化やコア項目の整備を進め、民間の皆さんにもぜひ参加してもらいたいです。それが、この世界を広げる鍵だと思います。最終的には「本人主体」というコンセプトを社会全体が理解し、受け入れていく必要があります。本人が望む形でデータをつなぎ、シェアできる社会をつくるためには、基盤づくりが欠かせません。
「誰一人取り残さない医療DX」実現に向けてデジタル庁が拓く未来

石見:デジタル庁が掲げる「誰一人取り残さない医療DX」に向けた、多様な方々への配慮や課題について、最後にコメントをお願いします。
三浦:質問に対するお答えになっているかわかりませんが、病気の兆候や診断が難しい超希少な難病がビッグデータを活用して早期に見つかる可能性には期待しています。原因がわからず何十年も苦しんでいる人々がいます。その現実を少しでも解消できる未来を切り拓ければと願っています。
また、「誰一人取り残さない」とは、災害時や救急時に必要な情報にアクセスできるようにすることや、日常生活で静かに取り残されている人々に気づき、支援できることが含まれます。知っている/知らない、使える/使えないという段階を意識しながら、単にアクセスできるだけでなく、誰もが「使いこなせる」状態にすることが重要だと思います。
医療は生活の一部であり、視覚に制限がある方や、遠隔地で医師不足の地域に住んでいる方々のためにも、デジタル技術を活かした新しいアクセシビリティを模索し続けることが求められます。医療DXが本当に人々に寄り添ったものとなることを目指しています。
石見:フィンランドで印象的だったのは、高齢者などスマホに不慣れな人々にもきちんと対応する姿勢でした。たとえば、電話で説明できる体制を整えておくことなど、シンプルながら重要な工夫がされていました。日本でも医療やヘルスケアにデジタル基盤を取り入れる際には、すべての国民がその恩恵を享受できることを前提に進めるべきです。デジタルが苦手な人々にもサポートを提供することが、PHRサービスの信頼性を高め、広く受け入れられるポイントになると思います。
三浦:医療が「与えられるもの」から「参加するもの」へと変わっていく中で、その意識の変化も含めて、デジタル化なのではないでしょうか。マイナ保険証に抵抗感を持つ人もいますが、それが災害発生時や救急搬送の際に自身の医療情報を提供するなどの恩恵をもたらすことも事実です。選択の自由を尊重する上で、メリット・デメリットをきちんと伝えることが、誰一人取り残さない医療の実現に繋がると思います。
石見:そうですね、丁寧に取り組むことが理解と利用の広がりを生むでしょう。
三浦:日本ならではの進め方ですね。海外の一部には割り切った進め方をしているところもありますが、日本は曖昧さをうまく活用しているように感じることもあります。それが国民性にあった賢いやり方なのかもしれません。
石見:日本の規模は大きいので、1億人を超える人々のコンセンサスを得るのは簡単ではありませんが、そのためにこそ慎重に進めるべきですね。
三浦:そうですね。1億人に電子証明書を配布し、本人認証ができる国というのは世界的にも素晴らしいことだと思います。
石見:その通りです。今、日本が推進している取り組みは非常に壮大で素晴らしいことだと、もっとポジティブに捉えていくことが大事かもしれませんね。
文:吉田めぐみ